インターネットプロバイダー事業者は、ハッカー対策などのセキュリティ面や、プライバシー保護などの法律面その他の専門的な知識の収集・分析とそれらへの対応や、また、日々変化するインターネット環境下における事業の健全な運営や事業全体の発展のためのインキュベーション支援など、常に幅広く業界の動向を把握した上でより高いレベルの見識を要求される状況となってきました。これらは、各事業者毎で個別に対応するのは、物理的にも能力的にも難しい状況にあると言わざるを得ません。

　そのため、まず事業者相互で情報交換や情報共有を行うことができる環境を整え、様々な分野の専門家の協力を得つつ、上記のような課題について事業者全体としてどのように対応していくべきかを検討し、その結果を皆で共有していくことが重要であると考えます。

　また、インターネットプロバイダー事業の健全な発展には、インターネット利用者が増えていくのはもちろんのこと、より高い情報リテラシーを持った利用者が増えていくことが肝要であり、このような利用者を増やしていくよう努力をすることは、利用者に最も近い立場にある我々インターネットプロバイダー事業者としての重要な責務であると考えています。

　日本インターネットプロバイダー協会は、インターネットプロバイダー事業者全体としての能力の向上を図りつつ、必要な課題に適時適切に対応し、情報リテラシーの高い利用者を増やしつつ、我が国ひいては世界的規模におけるインターネットの発展に寄与することにより、21世紀の高度情報通信ネットワーク社会の実現に貢献していきたいと考えております。